食道全体が柔らかな芳香につつまれる。パニールのスパイス炒め。
魅惑の、スパイスまみれチーズ。
先日はこちらの本を読んで、パニール(インドのカッテージチーズ的なもの)を作ってみましたよ♪
いやいやいや。この本いいっすよ。
インド料理の魅力をほんのちょっと聞きかじって、「で、そもそもインド料理ってどういう組成なのさ」と自分なりに(浅いけど)探究してきたつもり…なんですが。
この本にキホンは全部、公式としてまとまっとるやん!はよ教えてよー。と言いたくなりました。まあ、そこまでの探すプロセスも面白かったんですがね。
この本は最初の23ページまでがキモで、
・インド料理とは基本的になんぞや
・スパイスの分類
・しょうがとにんにくの「1かけ」の定義
・カレーの基本手順
・玉ねぎ炒めの目安
・北インドと南インドカレーの違い
これがぜーんぶ、シンプルに図式化して書かれています。
インド料理初めての人も、これを見たらだいぶ頭スッキリするはず!
(いわゆる印洋カレー全般というよりは「インド料理」についての知識が分かる感じね)
とはいえ、前回の記事の引用にあるように、
スパイスの組み合わせ方は、科学的な理論による解明なんてない。
というのもまた真なりなんだろうな。公式化されないところに奥深さがあるんだろう。きっと。そういう意味では、インド料理には「答えがない」という名の希望が見え隠れします。うう、楽しすぎて震えるわw
ちなみに、著者のナイル善己(よしみ)さんという方は、ナイルレストランの3代目。前出のカレー番長:水野仁輔さんとも深いつながりがあるそうで(たまたま、ほぼ同時期に知ったのね)。ほぼ日での善己さんへのインタビューを読むと、さらに彼らに対する愛しさが増しますよ。
最近まで全然知らない人だったのに、彼らの魅力に急速に惹かれております。なう。
***
そんなわけで、パニール。
生クリームと牛乳を、お酢またはレモン汁で化学反応を起こして固めるというものです。
この辺のレシピが参考になるかも↓
最初固まらなくてさ迷いかけましたが、なんとか一晩寝かせてカタチにしてみました。
ちなみに、チーズ作ったのは初めて!
ふにふにして優しい口当たりです。
旦那と一緒に深夜取り組んだんですが、できあがった姿を見ると愛おしくて、「ねえ、アナタ。私たちの子よ!」などというクソ茶番をかましたくなる可愛さでした。
で、最初に思いつくレシピといえばパラックパニール(ほうれん草とチーズのカレー)なんでしょうけど…。ついこないだほうれん草カレー作ったばっかやん!ってことで、先ほどの本に書かれていたレシピを参考に、スパイス炒めにしてみることにしました。材料はウチにないものもあったので、自分が実際に作ったもので紹介します。
たぶん、軽めの副菜だろうな…となめそうになりましたが。これがヤバイ。
パニールの柔らかさと甘さに、スパイスの香りと辛みが絡みついて(シャレではない)…!深いところから香りが立ち昇ってくる。昇天しそうな旨さでありましたよ。
◆カダイパニール(パニールのスパイス炒め)
・パニール:120g
・パプリカ:1個
・ししとう:2本
・玉ねぎ:1個
・にんにく:1かけ
・しょうが:1かけ
・水:200ml
・カットトマト缶:100ml
・バター:10g
・サラダ油:大さじ3
・塩:小さじ1
<ホールスパイス>
・クミンシード:小さじ1
・黒コショウ:10粒
・カレーリーフ(乾燥):5~10枚(あれば)
<パウダースパイス>
・コリアンダー:小さじ2
・ガラムマサラ:小さじ1(ハウスのものを使用)
・ターメリック:小さじ1/2
・クミン:小さじ1/2
・チリペッパー:小さじ1/4
(下ごしらえ)
・スパイスを皿に取り分けます。ホールとパウダーは別に。
・材料を切ります。
パニール:1cm角に
パプリカ:一口大に
ししとう:1cmの輪切りに
玉ねぎ、にんにく、しょうが:みじん切りに
1:フライパンにサラダ油とブラックペッパーを入れ、弱火で熱します。ブラックペッパーから細かい泡が出たら、クミンを入れます。クミンからも泡が出て数秒加熱したら2へ。
この工程に根拠は味的なないのですが、単にホールスパイスの中でクミンだけ焦げやすいので、私は後入れしています。ってだけ。
2:玉ねぎを入れて、透明になるまで強めの中火で炒めます。
3:さらににんにく・しょうがを加えて炒めます。
玉ねぎのフチがこげ茶色になり、全体がきつね色になるまで炒め続けます。
玉ねぎ炒めは前回記事を参照。
4:パウダースパイスと塩を入れ、弱火にしてしっかり混ぜ合わせます。
5:水、トマト、バターを入れて一旦強めの中火にし、煮立ったら弱火にします。フタをして5分ほど煮ます。
6:フタを開けて中火にし、ししとう、パプリカの順に炒め合わせます。
さらにカレーリーフも。手がすべって入れすぎましたww別に味に支障はなかった。むしろ美味しかったのでよしとするw
7:全体に火が通ったら、パニールを入れて崩しすぎないように優しく混ぜます。ここはそんなに炒めなくても、混ざればいいようです。
でっきあっがり♪
いやーーー。やられました。予想を超えて旨すぎる!
チーズの滑らかなのどごし。そこに絡みつくスパイスが、ホッカホカな温かさとともに、食道壁にまとわりつき…ごっくんした後も柔らかな芳香につつまれる至福…!
ぜひ体験してくださいとしか言いようがありません。充分メインになります。ご飯添えても美味しいかも。
しかも、かなりエネルギーチャージできたようで。またその日も深夜までテンションマックスで、子供のようにはしゃいで過ごしたことは秘密です。
ちなみに、和パスタとともに食しました。どういう食べ合わせなんでしょ。
そしてこの本。説明も親切だし、レシピのバリエーションがとにかくすごい。まだまだ作りたいのあり過ぎて身体が足りない。どうしようかと思ってますよ。
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