素朴な見た目だけど華やかな香り【スパイスカレー・インド料理レシピ本2021年版】
香りがぶつかりあってすごいことに…。
レシピ本について書き始めたら止まらなくて、もう4記事目なんですが…。
こっからの本は、初心者の方というより、スパイス好きが高じて止まらなくなってきた人におススメしたい本です(もちろん好きなら入門編にしてもOKです…!)。
インド料理って、派生しだすと北インド料理、南インド料理、東インド(ベンガル料理)と広がり…最近では西インド料理の本も出てました。解像度を上げてくと、地域ごとにぜんぜん違う味や調理法なんですよね。
そして、カレー(っぽい料理)という切り口でいくならネパール料理、スリランカ料理、タイ料理なんかもあり、そっちもレシピ本増えてます。そりゃ探求、止まりません。興奮してきたな。
参考までに、3年前の記事には世界のカレー本取りあげてますのでどうぞ。
その中で今回は、いちばん印象深かったベンガル料理を取り上げてみたいと思います。
【地域別編】
最初に思ったこの本の魅力は、「装丁やレイアウトがたまらん可愛い…!」ってことでした。
いや個人的に、本そのもののフェチでもあるのでこの感想なんですが。
手にとりやすいサイズと厚み。そんでデコボコした紙の質感。ペタンとつぶれたようなフォント。写真集みたいな見開き。写真のバックグラウンドの配色…。とキリがないですが、本のデザイン自体が愛らしく、つい手に取りたくなります。こればっかりはAmazonで見てても伝わらないと思うので、本屋さんで見てもらいたいですね。雰囲気はこちらでどうぞ。
はい、本題に入ります。
必要なスパイスは幅広いので、ホールスパイスがある程度揃っている人により、おススメ。
で、この本で多用する食材が「マスタードオイル」。ベンガル料理ってマスタードの香りを大事にするらしく、めちゃめちゃ使います。これが体験として、個人的には面白かったです。
ぶっちゃけサラダオイルでもいいらしいのですが、スパイス好きならば一度使ってみてください。
開封しただけだと、けっこうクセのある強い香り…!加熱すると部屋いっぱいにマスタードのにおい。なかなか慣れませんし、これでカレーってホントにできるんかね、と初見では思いました。
が、ホールスパイスを炒め、玉ねぎにんにくしょうがを炒め、パウダースパイスと融合し…ってじわじわやっていくと、具材を入れるころにはもんのすごく芳醇な香りになっています…!!え、あのキツめのにおいはどこへ…?ってなるほど多層的で華やかな香り。
ナスのマスタードオイル焼き。盛り付けのセンスは許してください。
このレシピ本の特徴として、
・各工程を何分加熱するかを数字で細かく記してくれてること。
があります。
「しんなりするまで」「茶色くなるまで」「火が通るまで」
だと加熱時間が人それぞれの感覚値次第になってしまいがちですが、これだときっちり加熱できます。印象としては、炒め時間が思っていたより長い…ということ。



これがたぶん、しっかりとスパイスの香りを引き出すんでしょうね。スパイスって粒が小さいしすぐに、日本人的にはすぐに焦げる印象があるので、数十秒しか炒めない表記のレシピも実際、多いです。あちらの人はしっかりと火を通すらしい。
その辺が感覚じゃなくて数字で分かるので、また腕が上がった気になれます。マニアックなジャンルなので難しいかなと思ってましたが、予想よりはカンタンに感じられました。
ちなみに、著者の石濱匡雄さんの料理教室に何度か参加させていただきましたが、その時のマトンのキチュリ(スパイスお粥みたいな料理)の香り高さは忘れられません。風邪のときとか食べたらテンション爆上がりしておかしくなるやろって思った(笑)。
見た目も美しいし…!
まとめると、「インドカレーってこんなん?」ってイメージして食べると、それとはまた違った味と香りに出会える気がする。まあイメージは人それぞれなので私以外の人にとってはどうか分かりませんが、言葉にしがたい個性を感じました。ベーシックなダール(豆カレー)ですら、食べ慣れたものとまた違いましたし。
右のじゃがいもとしらすのなんか、想定の範囲内やろと思ったらめちゃめちゃ旨くてビビりました。素朴な見た目ですが裏切りません。


滋味深い野菜とか、魚介をたくさん使うのでけっこう日本人にもなじむかも…?と思っています。
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最後、語彙力が消滅しましたが、次回に続きます。
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